「健康のために」「お腹の調子を整えたい」と思って腸活を始めたのに、なぜか前よりおならが増えた気がする…
そんな経験はありませんか? もしかしたら、お腹の張りやニオイまで気になって、不安を感じているかもしれませんね。「私の腸活、間違っているの…?」と悩んでしまう気持ち、とてもよく分かります。
でも、安心してください。実は、腸活を始めたことでおならが増えるのは、決して珍しいことではありません。
そして、その原因によっては、むしろあなたの腸が良い方向に変化しているサインである可能性もあるのです!
この記事では、まずおならの基本的なことから、腸活でおならが増える考えられる理由、それが良い兆候なのか、それとも注意が必要なのかの見分け方、そして腸活を続けながらおならの悩みをコントロールするための具体的な対策までを徹底的に解説します。
この記事を読めば、腸活でのおなら増加に関する不安が解消され、自信を持って腸活を続けられるはずです。一緒に、おならの悩みと上手に付き合いながら、理想の腸内環境を目指しましょう!
おならって本来どういうもの?正常な回数と気になる原因・種類

まず、おならは自然な生理現象であり、健康な体の証拠でもあります。
おならは、主に以下の2つの要素からできています。
- 口から飲み込んだ空気: 食事や会話の際に無意識に飲み込む空気です。早食いや炭酸飲料を飲むと、飲み込む量が増えます。
- 腸内細菌が作り出すガス: 腸内に住む細菌が、食べ物の残りカスを発酵・分解する際に発生させます。
おならの正常な回数とは?
健康な人でも、1日に10回~20回程度のおならをすると言われています。これは、口から飲み込んだ空気の大部分や、腸内で発生したガスが自然に排出されている回数です。
ただし、この回数はあくまで目安であり、個人差が非常に大きいです。食事内容、体質、その日の体調、活動量などによって、おならの回数は変動します。「1日に〇回以上だから異常」と決めつけるのではなく、ご自身にとって普段より増えたかどうか、そして他の症状があるかどうかに注目することが大切です。
おならを我慢するとどうなる?
おならの回数が多くて気になってしまい、我慢してしまうという方もなかにはいるかと思います。
しかし、我慢したおならは腸内に溜まってお腹を圧迫し、痛みやお通じのさらなる不調へとつながってしまう可能性があります。
また排出されなかったガスが体内を巡り、皮膚や口などから排出されて体臭や口臭の原因となる場合もあるため、あまり我慢するのはおすすめできません。
おならの種類とニオイの原因
おならは、含まれるガスの種類によってニオイが異なります。
- 無臭~ニオイが弱いおなら: 主に口から飲み込んだ空気や、善玉菌が食物繊維などを発酵させる際に発生する水素ガス、メタンガスなどが含まれます。これらのガスはほとんどニオイがありません。
- ニオイが強いおなら: 主に悪玉菌がタンパク質や脂質を分解する際に発生する、硫化水素、インドール、スカトール、アンモニアなどが含まれます。これらは腐敗臭や硫黄臭のような強いニオイを放ちます。肉類中心の食事や便秘などで悪玉菌が増えると、ニオイが強くなる傾向があります。
おならの量やニオイが増える主な原因
おならの回数、量、ニオイが増える原因は様々ですが、主なものとしては以下の点が挙げられます。
- 食事:
- ガスを発生しやすい食品(食物繊維、炭酸飲料、人工甘味料など)の摂りすぎ。
- 肉類などタンパク質や脂質の多い食事による悪玉菌の増加。
- 早食いによる空気の飲み込みすぎ。
- 便秘: 便が腸内に長く留まると、悪玉菌が増殖しやすく、ガスが多く発生したり、ガスの通り道が塞がれてお腹の張りの原因になります。
- 腸内環境の乱れ: 善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れ、悪玉菌が優勢になると、臭いガスが発生しやすくなります。
- ストレス: ストレスは自律神経の働きを乱し、腸のぜん動運動を弱めたり、過敏にさせたりすることがあります。これにより、お腹の張りやガスが溜まりやすくなることがあります。
- 運動不足: 運動不足は腸の動きを鈍らせ、ガスの排出を妨げることがあります。
- 特定の病気: まれではありますが、過敏性腸症候群(IBS)や炎症性腸疾患などが原因でおならの症状が悪化することもあります。症状が長く続く場合や、他の症状(腹痛、下痢、血便など)を伴う場合は、一度医療機関に相談することをお勧めします。
このように、おならの原因は多岐にわたりますが、多くの場合は生活習慣や腸内環境が関係しています。そして、今回のテーマである「腸活」も、おならに影響を与える要因の一つとなり得ます。
腸活でオナラが増えるのはなぜ?考えられる3つの理由

さて、健康のために始めたはずの腸活で、なぜおならが増えてしまうのでしょうか?考えられる主な理由を3つご紹介します。
善玉菌が増えて発酵が活発になったサイン(良い兆候の可能性)
腸活の大きな目的は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を良好にすることです。ヨーグルトや納豆、食物繊維やオリゴ糖を積極的に摂ることで、これらの善玉菌が活性化します。
善玉菌は、私たちが消化しきれなかった食物繊維などをエサにして発酵する際に、体に良い短鎖脂肪酸などとともにガスを発生させます。これは、あなたの腸内で善玉菌が活発に働き、腸内環境が改善に向かっている証拠である可能性が高いです。
特に、普段あまり食物繊維を摂っていなかった方が、腸活を機に急に増やした場合、腸内細菌が新しい環境に慣れるまでの期間、一時的にガスの発生が増えることがあります。この場合、おならの回数は増えても、ニオイがあまり気にならない(無臭~やや酸っぱいニオイ)ことが多いのが特徴です。これは、腸が健康な状態に近づいているサインと捉えることができます。
摂り始めた食品が体質に合わない、または摂りすぎている
腸活のために良いと思って摂り始めた食品が、あなたの体質によってはガスを過剰に発生させている可能性もあります。
例えば、FODMAP(フォドマップ)と呼ばれる特定の糖質を多く含む食品(玉ねぎ、ニンニク、豆類、小麦、一部の果物、乳製品、人工甘味料など)は、人によって腸で発酵しやすく、ガスや腹部膨満感を引き起こすことがあります。
腸活でこれらの食品を新しく取り入れたり、急に摂取量を増やしたりした場合、ガスが増える原因となることがあります。特に、特定の食品を摂った後に顕著におならが増えたり、お腹が張ったりする場合は、その食品が原因かもしれません。
悪玉菌がまだ優勢、または特定の悪玉菌が増えている
腸内環境の改善は、すぐに劇的に変わるものではなく、時間のかかるプロセスです。腸活を始めたばかりの頃は、まだ悪玉菌が優勢な状態が続いており、悪玉菌が活発にガスを生成している可能性も考えられます。悪玉菌が作るガスは、ニオイが強いという特徴があります。
また、腸活で特定の食品を摂り始めたことで、その食品をエサにする特定の種類の菌(善玉菌、悪玉菌問わず)が一時的に増えすぎてしまい、ガスが過剰に発生しているケースも考えられます。
ごくまれにですが、小腸での細菌の異常増殖(SIBO)などが原因でガスが増えている可能性も否定できません。
【増えたオナラ】良い兆候?それとも注意が必要?見分け方
腸活でオナラが増えた場合、それが腸内環境の改善による良い兆候なのか、それとも何か注意が必要なサインなのかを見分けることが大切です。以下に、おならの状態やお腹の調子で判断する際のポイントをご紹介します。
良い兆候である可能性が高い場合
- おならのニオイが以前より気にならない(無臭~わずかに酸っぱいニオイなど)。
- お腹の張りはあっても、我慢できないほどの強い痛みや、持続的な激しい不快感はない。
- 便秘が改善された、または便通が規則的になってきた。便の形や色が良い状態になってきた。
- お腹以外にも、肌の調子が良くなった、体が軽くなったなど、体全体として改善傾向を感じる。
このような場合は、あなたの腸内で善玉菌がしっかりと働き始め、腸内環境が良い方向に変化しているサインである可能性が高いです。一時的なものとして、焦らず腸活を継続してみましょう。
注意が必要な場合
- おならのニオイが以前よりもさらに臭くなった(腐敗臭、硫黄臭など)。
- 強いお腹の張りや痛みが続く、あるいは悪化している。
- 下痢や便秘が続いたり、悪化したりしている。
- 他の症状(体重減少、発熱、血便、吐き気など)を伴う。
- 特定の食品を摂った後に、顕著におならが増えたり、症状が悪化したりする。
これらの症状が見られる場合は、単なる腸活による一時的な反応ではない可能性があります。自己判断せず、必ず医療機関(消化器内科など)を受診して相談するようにしてください。病気が原因でおならの症状が出ている可能性も考慮し、適切な診断を受けることが重要です。
腸活を続けながらオナラをコントロールする具体的な対策
腸活が良い方向に進んでいるサインであっても、おならが増えすぎて日常生活に支障が出るのは辛いですよね。また、もし体質や特定の食品が原因でガスが増えている場合も、対策が必要です。ここでは、腸活を続けながらおならをコントロールするための具体的な方法をご紹介します。
食事内容と摂り方を見直す
ガス発生の根本原因となりうる食事内容を見直すことが最も重要です。
- ガスを発生しやすい食品の摂取量を調整する
ご自身が「これを食べるとおならが増えるな」と感じる食品があれば、一時的に摂取量を減らしたり、避けてみたりしましょう。全く摂らないのではなく、少量から始めて、ご自身の体がどの程度なら大丈夫かを確認していくのがおすすめです。特に、腸活を始めたばかりの頃は、これらの食品を急に大量に摂るのではなく、少量ずつ取り入れていくようにしましょう。 - よく噛んでゆっくり食べるを徹底する
これにより、食事と一緒に飲み込む空気の量を減らすことができます。また、消化が良くなり、腸への負担が軽減されます。一口あたり30回噛むことを意識してみましょう。 - 食物繊維の種類やバランスを見直す
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は、どちらも大切ですが、バランスが偏るとお腹の張りに繋がることがあります。両方の食物繊維をバランス良く摂れているか、普段の食事を振り返ってみましょう。 - 新しい食品は少量から試す
腸活に良いとされる食品でも、いきなり大量に摂るのではなく、少量から始めて体の反応を見ながら徐々に増やしていくのが安全です。 - 特定の食品(乳製品、グルテンなど)との関連を記録してみる
もし、特定の食品を摂った後に症状が悪化するように感じるなら、食事日記をつけてみましょう。何を食べたか、いつおならが気になるかなどを記録することで、原因となる食品が見えてくることがあります。特定の食品に過敏に反応する場合は、専門家(医師や管理栄養士)に相談することも検討しましょう。
プロバイオティクス(善玉菌)の選び方と摂り方
腸活でプロバイオティクス(ヨーグルト、サプリメントなど)を利用している方も多いでしょう。
- プロバイオティクスの種類を見直す
プロバイオティスに含まれる菌の種類によって、ガスの発生しやすさが異なると言われています。特定の種類の菌でガスが増えるように感じるなら、別の種類の菌が含まれているものに変えてみるのも一つの方法です。ただし、これは個人差が大きいため、いくつか試してみる必要があるかもしれません。 - 少量から始めて徐々に増やす
プロバイオティクスも、体に慣れさせるために少量から始め、様子を見ながら徐々に摂取量を増やしていくのがおすすめです。
生活習慣で腸の働きをサポート
食事だけでなく、日々の生活習慣もおならのコントロールに影響します。
- 適度な運動で腸のぜん動運動を促す
ウォーキングやストレッチなど、軽い運動は腸の動きを活発にし、溜まったガスを排出しやすくします。お腹を優しくマッサージするのも効果的です。 - 十分な水分補給
水分は便を柔らかくし、スムーズな排便を助けることで、ガスが溜まりにくくなります。こまめに水分を摂りましょう。 - ストレス解消法を見つける
ストレスは腸の働きに悪影響を与えます。自分に合ったリラックス方法を見つけて、ストレスを溜め込まないようにしましょう。 - お腹を冷やさないようにする
お腹が冷えると腸の動きが鈍くなることがあります。腹巻をする、温かい飲み物を飲むなどして、お腹を冷やさないように心がけましょう。
一時的にガスの発生を抑える食品を試す
民間療法的な側面もありますが、ペパーミントティーや生姜湯などがガスの排出を助けると言われることがあります。試してみるのも良いでしょう。
医師や専門家への相談
様々な対策を試しても症状が改善しない場合や、前述の「注意が必要な場合」に当てはまる症状がある場合は、迷わず医療機関を受診してください。自己判断で対策を続けるのではなく、専門家(消化器内科医や管理栄養士など)に相談し、原因を特定し、適切なアドバイスや治療を受けることが最も重要です。
まとめ
腸活を始めたのにオナラが増えてしまうという悩みは、決してあなただけのものではありません。
多くの場合は、腸内環境が良い方向に変化している過程で起こる一時的な反応である可能性が高いです。善玉菌が活発に活動している証拠として、前向きに捉えましょう。おならの回数も個人差が大きいため、一般的な目安とご自身の変化を比較してみてください。
しかし、中には体質に合わない食品や、まれに病気が原因である可能性もゼロではありません。おならのニオイ、お腹の張りや痛みの程度、他の症状の有無などを観察し、「良い兆候」なのか「注意が必要」なのかを見分けることが大切です。
もしおならの増加が気になる場合は、この記事でご紹介した食事内容や摂り方の見直し、プロバイオティクスの種類の検討、生活習慣の改善などを試してみてください。そして、症状が改善しない場合や気になる症状がある場合は、必ず専門家に相談しましょう。
腸活は、あなたの体とじっくり向き合う素晴らしい機会です。おならの悩みと上手に付き合いながら、焦らず、あなたに合ったペースで腸活を続けていくことが、健康で快適な毎日への一番の近道となるはずです。あなたの腸活が、実りあるものとなるよう応援しています!